国際野外の表現展2012




開催要項 国際野外の表現展2012 開催要項 国際野外の表現展2012

ごあいさつ

主催者

2010 年に開催された生物の多様性を討議する国際会議「CDP10」は、地球人が地球という閉鎖空間に生きる以上、生物の多様性が不可欠であることを再確認させました。個々の生物は生命の循環のなかで生を営むなか、絶滅の危機に直面した際、何らかの生き延びる道を残せるという意味で、多様性の獲得は生物にとって最重要で基本的な戦略と言えます。 ここで生物の多様性と対比的に「表現の多様性」という概念を提示してみたいと思います。戦後の日本美術は、様式や流派の中にあって質を高めるという方向とは別に、個人の感性やアイデンティティーに依拠した表現を拡大させ、表現の多様性を目指してきました。しかしながら現代美術といわれるものの中には、他人と異なることや奇を衒うことのみに走った表現もあり、観る者を困惑させ、多様性は混乱だと考える人もいるようです。 しかし、優れた表現が多様に存在すれば、生物の場合と同様、文明に翳りが見えた時、新しい表現が新しい価値を提供し、文明の芽となることができるのです。現在世界を蓋っている行きづまり感のようなものをもたらした原因のひとつは、新しい価値が生まれにくいことにあるようです。 今この表現の多様性を拡大するものとして注目されているのが、野外展や街中アート展で見られるサイトスペシィフィックアートです。「場」の記憶ともいえる、歴史、文化、風土、さらに具体的には地形、水脈、風向、植生、土壌、暮らし、祭り、といったその場所固有の情報と、アーティストの心の奥底に染みついて離れないオブセッショナルな概念とが渾然一体となって作品を生み出すのです。サイトスペシィフィックアートはその「場」でしか成立せず、かつアーティストにとっても、それまで追求してきたコンセプトに新しい局面に付加した新しい作品となるはずです。 国際野外の表現展の試みは、作品に「場」の記憶を組み込む試みであり、日常の野外空間において普段アートとは無縁の人の心にも感動を喚起しようとする行為だといえます。 国際野外の表現展は、世界各地で活躍するアーティスト達の「アート力」を活用して、地域社会に潜在している固有の魅力を顕かにし、アーティストと市民、学生の交流を通じ、豊かな地域社会の創造に寄与することを目的に、2002 年よりプレ展を含め9回開催致しました。その後 3・11 の大震災の影響により活動を中断していましたが、多くの方々のお力添えにより再開することができました。 今後は地域の方々と来訪者の交流が促進され、地域の特色が輝きを増していくこと願い、里山空間にアートのネットワークを構築してまいります。 最後に、展覧会の開催にあたり多大のご支援とご協力を賜りました関係各位に、心より感謝申し上げます。


国際野外の表現展2012 開催要項


1.名称 国際野外の表現展2012

2.主催 国際野外の表現展比企実行委員会

3.協力 東京電機大学理工学部

4.後援 埼玉県・埼玉県教育委員会・東松山市・鳩山町・飯能市教育委員会

5.会期 公開制作期間:2012年9月22日(土)~2012年11月30日(金)
展示期間:2012年12月1日(月)より1年間

6.会場 東京電機大学鳩山キャンパス・飯能アートHill美はらし台・東松山ギャラリー亜露麻

7.趣旨 世界各地でサイトスペシフィックアートを展開しているアーティストたちのアート力を活用し、地域社会に潜在する固有の魅力を顕かにする。併せて、アーティストと市民、学生の交流を通じ、国際的なアートボランティア育成を展開するとともに、NPO活動とも協力しながら豊かな地域社会の創造に寄与する。

8.テーマ 「サイトスペシフィックアートと地域創造」

9.目的
  1. サイトスペシフィックアートな表現を通じ、地域に潜在する固有の魅力を顕在化させる。
  2. 市民・学生とアーティストの国際的な交流の場を提供する。
  3. 里山空間でアート作品に遭遇することにより、アート作品のメッセージを感受するよろこびを体感してもらう。
  4. 国際的なアートボランティア活動を促進し、その活動を拡大していく。
  5. NPO活動と協働し、地域固有の資源発掘に寄与する。

10.企画事業
  1. アーティストプレゼンテーション:映像を使った自身の作品紹介。
    ※出品作家全員参加。作品の趣旨、テーマ、制作過程、背景などを一般の人々にわかりやすいように説明する。
  2. 小作品展:作家の制作コンセプトが凝縮した小作品の展示。
  3. Webサイト:http://www.ioe-hiki.comを運営。
  4. 記録集出版。
  5. アート Map を作成。
  6. アートガイド:作品を巡回しながらアートについて語り合う。
  7. アートワークショッププロジェクト

11.資金
  • 国際野外の表現展サポート協議会を通じ、企業の協賛、個人協賛を広く募る。
  • 国・県・民間財団に助成を申請する。

12.出品作家

沼田直英 NUMATA Chokuei
山口俊朗 YAMAGUCHI Toshio
遠矢浩子 TOYA Hiroko
李宣周 LEE Sunju
吉田佑子 TOSHIDA Tuko
菱田祐一郎 HISHIDA Yuichiro
高原和子 TAKAHARA Kazuko
植村佳菜子 UEMURA Kanako
ツェン・デロン THENG(China)
赤松功 AKAMATSU Isao
金原京子 KINPARA Kyoko
望月月玲 MOCHIZUKI Getsurei
小林ナオコ KOBAYASHI Naoko
高橋和臣 TAKAHASHI Kazuomi
石坂孝雄 ISHIBASHI Takao
野口栄一 NOGUCHI Eiichi
平出ゆめ HIRADE Yume
児玉士洋 KODAMA Shiyo
岡野裕 OKANO Yutaka
ワン・クワンヒュンWANG Kwang-hyung(Korea)
甲斐瞳 KAI Hitomi
東京電機大学岩城研究室 TDU Iwaki Laboratory

13.国際野外の表現展サポート協議会

支援者が会員となった本展の母体団体。

14.事務局 〒355-0051 埼玉県東松山市白山台15-19 小野寺優元方
TEL/FAX0493-35-4506

15.Webサイト http://www.ioe-hiki.com/


交流風景





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